実習生に接するコツ


実習生に接するコツ

まずはコミュニケーションをたくさん取ってください

 実習生自身のやる気と成果を上げていくためにはまず「信頼関係」をつくることが大事です。これはどんな国でも同じです。

 この制度をうまく活用できている受入れ企業さまと、そうでない企業さまとでは、毎日の本人達とのやり取りに差があるものです。特に本人達と接する機会が多い、日本人の同僚・先輩・指導員の方々とのコミュニケーションはとても重要です。

 初めのころはぜひ、実習生だけでなく、実習生に近い従業員の方々にも「今日はどんな話をしたの?」と聞くクセをつけ、コミュニケーションを促すようにしてみてください。

 

はじめは「ゆっくり・ハッキリ」発音してあげてください

 もちろん日本語の勉強をしっかりしてきていますので、数か月もすれば日常会話にはほとんど困らない程度に成長します。ただ、はじめはどうしても単語力が未熟です。

 実習生は、聞き取るときに相手が「何を・どうして欲しい、と言ってるんだろう?」いうことを考えています。はじめは特に「これ」(道具など)と「やる」(持つ・運ぶ・取るなど)をゆっくり・ハッキリ発音するようにしてみてください。

 また、指導・説明する日本語のペースにもご注意ください。忙しくて早口で伝えてしまうと、実習生もなるべく相手を困らせたくないので、その場ではなんとなく「わかりました」といって実は理解できていない、というケースはよく起こります。

 

「YES」と「NO」をハッキリしてください

 実習生とのやり取りの中で、何かの質問や相談などあった場合には、「YES」「NO」どちらか明確な答えをストレートに回答するのがベターです。

 日本特有のあいまいな返事による理解などは、外国の文化・環境で育った実習生にはなかなか理解しづらい事がたくさんあり、思わぬ反応や結果になる事も多々あります。日本人特有の「常識を想定したあいまいな回答」などをしないよう、意識して対応することが大切です。

 また実習生からのコミュニケーションの多くは「質問」です。なるべく先に「YES/NO」を伝えることがポイントです。


◆はっきりした「YES」の例

 「はい」「OK」「よい」「やる」「えらい」「そうそう」など

◆はっきりした「NO」の例

 「いいえ」「NO」「わるい」「やらない」「だめ」「ちがう」など

◆はっきりしづらい単語の例

 「いいよ(良い・いらない、の区別が難しい)」

 「ううん(YESの“うん”・首を振って“ううん(いいえ)”
      ・悩んでいる“うーん”、の区別がしづらい)」

 

はじめは「ことば+見せる」を意識してください

 どんな国の方でも、言葉を理解したり発したりするときは、必ずアタマの中でまず映像(イメージ)をつくるそうです。ヒトは目から理解するほうが多いということです。これは実習生にもあてはまります。

 「あかりをつけて」この言葉だけを伝えるより、プラスして「(電気を指さして)アレを・こうして(手の平を上に向けてひらく)」などのように“見せる”ことをすると格段に理解が早くなります。


◆応用編その1

 実習(就労)内でも「身振り手振り(表現力)」
 は急速に覚えてもらえる最大の近道です。

 ・指さし(あれ、それ、これ、
      あっち、ここ、など) 

 ・両手サイン(大きく〇×、ストップ、など)

 ・モノマネ(大きい物をもつマネで「運ぶ」や、洗うマネ、掘るマネ、など)

 ・表情(「笑顔」はOKサイン、「怒り」は禁止サイン、など)

 ※「笑顔」は口のかたちだけでもニコッと、また「怒り」は眉間にギュッとしわをよせるだけでも相手に表情が伝わりやすくなります。

◆応用編その2

 さらに「やってみせる→やらせる」を意識
 している方は指導が非常にうまいです。

 ①「コレを、こうする」(やってみせる)

 ②「やってごらん」(やらせる)

 これを繰り返すように教える、ということです。

 単純なことですが、できない理由は「才能がない」わけではなく「知らない」からなんだと思ってあげて接することがとても大事です。できたらしっかり笑顔で褒めてあげてください。チャレンジさせた後に見せてあげる笑顔は「知る」を「覚える」にするためのウラワザです。

 


「厳しさ(叱る)」と「暖かさ(褒める)」のバランスに注意してください

 どんな国の人でも褒められることは嬉しいことです。実習生がいい仕事をした時には、やりがいを向上するためにもよく褒めることが大切です。
 逆にミスを犯した場合などは、何が原因でそうなったのか?を動作を含めて確認し、しっかり「コレがいけないことなんだ」と伝えることがとても重要です。

 

 そして大事なポイントは、「厳し」すぎても「暖か」すぎてもいけないことです。

 実は、日本の“職人教育”は他国と比べてここが優秀と言われています。日本の職人さんは厳しいだけではなく、責任感が強いせいか「育てる」「見守る」「許す」といった暖かさ・人情に厚い傾向にあります。これが「自分は怒られているだけじゃない、期待もされてるんだ」とやる気にさせるのだそうです。

 これはある組合員さまのワザなのですが、注意する際に「厳しさ」と「暖かさ」を一緒に伝えると効果があるのだそうです。

 たとえば…「これはダメだ!(叱って)→でもよくチャレンジしたな(褒める)」や、「失敗したのか!(怒って)→じゃああしたは期待するからね(許す)」のように、同時にそれぞれをハッキリと伝えてみるといいそうです。暖かすぎても良くはありません。ぜひバランスを工夫してやってみてください。